2021/10/12 01:43
多大なる犠牲を伴い、人類が一丸となりコロナウイルスという未知の存在との戦いに明け暮れたこの2年あまり。
未だに鍔迫り合いは続いてはいるものの、ようやく峠を越えたのではないかという若干の安堵感が世界に広がり始めた昨今。
皆様いかがお過ごしでしょうか。オンライン古着屋DANKEMANの運営者たる私は、2回のワクチン接種後の副反応を乗り越え、未知の古着を求めて今日も街を徘徊しております。
「忖度」に続き「不要不急の」という新しい常用形容動詞が普及したのと時を同じくし、外出頻度の低下に伴い改めて自身の居住空間を見つめなおしたという方はかなりの数に上ると思われます。
そうなるとやりたくなるのが、部屋の模様替え、つまり、 HEYANOMOYOUGAE であるのは当然の帰結。
部屋の模様替えって不思議なもんで、やるまではかったりぃ~のですが始めると楽しくなり、あれこれと間欠泉からの熱湯の如く湧き出るアイデアに自分でもびっくり。せめてそれらを実現させるまで、もう少し生きてみようか、という前向きな人生観を一時、得ることができます。
左様に獲得した突然のポジティブさはしかし、これがこうなってあれがああなると、そこにどうしてもそれが要る! というように現在所持していない家具により打ち砕かれるのが関の山。無念、断腸の想いでプレステのコントローラーに手を伸ばしかけます。
ちょっと待ったァ~ッ! なんとイケアの配送サービスでは、家具は4,500円から、小物は500円から送ることができます! おそらくニトリさんでも宅配サービスはやっているのでしょうけども、やっぱり床がフローリングの部屋にはイケアの家具の方がいいもんね!
さて、ようやくめでたくイケアという概念に到達することができました。それではCMの後、本題である古着について見ていきましょう。
IKEAのヴィンテージ作業着を発見、入荷完了!!
なんだかんだ言って、勢いのある会社の作るものっていうのは時代を捉えているわけでして、IKEAの製品群も当然、その範疇に入れても差し支えないでしょう。
しかしながらイケアも、現在のようにアジアも守備範囲とする世界的なブランドになったのは割と近年のこと。欧州では1960年代から本国スウェーデン以外の国々へ進出しておりましたが、それでも人気を獲得するまで数十年の年月を費やしたわけです。
IKEAが歩んできた、苦難に満ちていたであろう道程のことを思うとですね…なんというか...胸のここらへんがいっぱいになってきて……あ、これさっき食べ過ぎたチョコレートのせいで起こった胸やけだわ。
とにかく、IKEAには80年にも及びそうな歴史があり、そこで働く従業員の方の制服もそれと同様ということですね。
ロゴ刺繍入りシャツ(半袖、長袖)と帽子です
今回新規での投入は、黄色のシャツが1点、赤色のシャツが半袖と長袖で合計2点、帽子が1点となります。
ここでイケアのブランドカラーとロゴについて、若干の考察を。
現在ではおなじみのIKEAのカラーリング、ブルーとイエローのロゴについては、IKEAのサイトによると1983年から利用されております。ロゴの形状は現在のものとは若干異なります。
https://about.ikea.com/en/about-us/history-of-ikea
IKEAの商品カタログ(1950年以降の全てのカタログがオンラインで閲覧可能
https://ikeamuseum.com/en/digital/ikea-catalogues-through-the-ages/)を見ますと、1981年以降に使われていた赤と白のロゴが1997年まで表紙に使われており、ブルー/イエローカラーのロゴは98年に初めて商品カタログに登場しております。
上記のことから1983年から1997年の期間は、ブルー/イエローと赤/白と2種類のカラーリングのロゴが併用されていたと考えられます。上記のシャツは黄色/ブルーと赤ということで、その期間内(1981年~1997年)の製造と推察しております。
また赤い方のシャツについてですが、購入時に形状維持のためのプラスチックピン(会計時に店員が処分)が付いていたこと、縦長の長方形の袋に入っていた時の形状がそのまま畳み皴として残っていたこと、状態が非常に良いこと、以上の三点を勘案し未使用新品と判断しております。
上記全ての商品の製造年代について、IKEAのサイトから本社に直接メールで問い合わせたのですが、「今資料を整理中ですぐには返答できません」つまり6文字でいうと、「善処します。(from Sweden with love) 」ということで、残念ながら公式見解は得られませんでした。しかしながら、商品と全く関係ない、黄色人種からのメールに快く対応してくださった担当者のトニーさんには感謝しかありません。ありがとう、トニー。
1987年時点で、IKEAの赤シャツにブルー/イエローのIKEAロゴが併存確認!
従業員の方が知らないことを、オンラインで見つけるということはほぼ不可能に近いと思われますが、ほぼ唯一と言っていい参考資料を発見しました。
https://www.cheshire-live.co.uk/news/chester-cheshire-news/ikea-warrington-story-furniture-stores-21295941
こちらは1987年10月、イケアがイギリスに初出店した時の様子についての記事です。ご覧のように、従業員の方々は赤色のシャツを着用しており、店舗自体はブルー/イエローという配色。私の推察力の鋭さには全くもって脱帽です。
この記事には、オープン前にはすでに徹夜組がキャンプを張っていたこと、オープニングスタッフの中には現在も働いている人がいること、などの情報が確認でき、その人に聞けば制服の使用年代についての疑問も一気に氷解するのになあ…とぼんやり思うわけであります。わざわざ見つけに行くほどのことではありませんが。私はトニーからの返信を気長に待つ派です。
この1987年当時、IKEAは世界的ブランドと言うには程遠い存在であったことを考慮すると、これらのシャツが東南アジア(今回でいうとバングラディシュとベトナム)のブランドコピー業者によって製造されたという確率は、非常に低いのではないかと推察しております。というかそもそもの話ですが、アパレルブランドならまだしも、家具屋の従業員用というものをわざわざ作らないのではないか、というツッコミは当然のことでありましょう。
DANKEMANではほぼ即売れの、ご好評のIKEAもの、売り切れ御免!
オンライン古着屋DANKEMAN 伊藤