2019/05/07 07:12

どうも、古着を通して世界を知る。啓蒙的古着の取扱店DANKEMANです。


日本じゃ令和がらみで10連休だったそうですが、皆様どのように時を過ごされましたでしょうか。

こういう連休時でも、平然とパチンコホールに行き死んだ魚のような目をしてパチンコを打つ人をチラチラ見たり、連休にも関わらず働いている店員さんたちの心境などを想像するの、好きです。とか言う私もパチンコにいってるんで大同小異。
まあ今回の連休は日本にはいられませんでしたのでそれは出来ませんでしたけども。

さあ、というわけで今回紹介するのは令和とかゴールデンウィークとか全く関係のない一品。

旧ユーゴスラヴィア製のフードジャケット 1984年サラエボ冬季五輪のマスコットの刺繍入り、でございます。



このくらいの距離で見ると、もう着る服とかどうでもよくなったじいさん、とかがヘビロテで着ていそうな感じがします。季節感のあまり感じられないカラーリング。どっちかって言うと秋寄りでしょうか。と、まあそんなことはどうでもよくて。

これが面白いのは、以下の2点。今はもう存在しない国であるユーゴスラヴィア製、そして1984年のサラエボ冬季五輪のマスコットの刺繍が入っているところ。

私はユーゴスラヴィア世代ではなく、当然ユーゴを代表する政治家チトーについては教科書で読んだ程度。NATOの空爆とかもそこまで覚えておりません。

空爆があったのはベオグラード(旧ユーゴの首都、現セルビア共和国の首都)で、オリンピックがあったのはサラエボ(現ボスニア・ヘルツェゴビナの首都)なので今となっては別の国ですが当時は同じユーゴでした。

そして、オリンピックのマスコットがこちら、ブチコ(Vučko、リンクウィキ)という名前らしいです。イラストこちら。これなら、オオカミなのだなと判別可能。いや、なかなか悪くない。共産圏の割りにポップさを出せるなんてやるじゃないの。


そして今回のジャケットのブチコの刺繍はこちら。

いやあ~いかがでしょうこの表現力のなさ。ファミコンのキャラっぽいドット絵的味わい。刺繍がへなちょこ過ぎ!ミシンがしょべぇんだよ!
…しかしお前、よく35年生き延びたもんだな。おおかた、買ってあんまり使わなくなってたんすで眠ってたりしたんでしょう。キャラモノの服ってその後着ないこと、けっこうありますもんね。

この邪気のないオオカミ、まあ平和の祭典のオリンピックのマスコットに邪気は無用ですが、こいつはその後のブラッディなユーゴ解体までの一連の流れを想像していただろうか…してねえだろうなあ…。

それまで同じユーゴスラヴィア国民としてやっていたのに、宗教、民族、言語、等々いろんなわけ方で人々を分断、殺し合いにまで駆り立ててしまったというわけで、本当に気の毒です。日本人にはもはや複雑すぎてピンとこないっていうのが正直なところ。

サラエボ五輪跡地は割と廃墟と化してしまい(カラパイアさん関連記事リンク)、敷地を墓地として使っている画はかなり有名ですね。

ブチコがなぜポーランドのそんなに大きくもない街まで流れ着いたのか、詳細は全く不明ですが、このあともこいつを可愛がってくれる方、ぜひ大事にしてやってください。

ちなみに、刺繍だけじゃなくて生地もわりとへなちょこペラペラなので洗濯、アイロン等していません。

詳しい情報はBASE商品ページにてご確認くださいませ。